【歴史物語】2019年、ロゼルの200マジェスタ用エアロがデビュー

芸術的なデザインを得意とするロゼル。最新モデカーの現行センチュリーで、東京オートサロン2025のセダン部門 最優秀賞を獲得したのはご存知の通り。この栄えある賞を受賞したことを受け、これまでにリリースしてきたロゼルのエアロラインナップにも注目が集まっている。

ここで紹介するのはロゼルの200マジェスタ。デビューしたのは2019年。フロントバンパーは大きな開口部が特徴で、時を経てもカッコ良さは揺るぎない。今回は特別編として、当時のVIPスタイルの紹介記事を掲載。「デビュー当時、VIP業界でロゼルの200マジェスタはどのように評価されたのか」。ロゼル及び、200マジェスタのファンは絶対必読。

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ROZEL
for 200MAJESTA

2019年、ロゼルの200マジェスタがベールを脱いだ。驚くべきは、そのデザイン。近年のトレンドでもあるスピンドルデザインをあえて封印しているのだが、多くのスピンドルグリルを手掛けてきたロゼルだけに、なぜ、ここへ来てそれを封印したのだろう。

「200マジェスタは縦長で重厚感のあるどっしりとしたボディが特長的。ロゼルとしては『絶対にこれじゃないといけない』っていう変なこだわりはなく、その車格に合わせてデザインしているので、200マジェスタの場合はスピンドルグリルじゃない方が、よりVIPっぽくどっしりした感じに仕上がるんじゃないかと思いました」とロゼルの上山サン。

リップ部分の基本デザインは、ロゼルの従来モデルを踏襲。注目すべきはセンターの開口部。スピンドルを封印した分のインパクトを補うため、傾斜を持たせて立体感を表現。さらに、重厚感のある車格に合わせ、フォグポケットを従来より大きめにデザインするなど、マジェスタ特有のどっしり感を残したまま、劇的な変貌感が味わえる。

リップ全体の厚みを薄く設計しているのもトピックの一つ。「リップを厚くデザインしてしまうと、昔のVIPっぽいボテっとしたイメージになってしまう。スタイリッシュで今時な感じを表現したかったので、リップはあえて薄くデザインしています」。

商品化までに1年もの歳月を要した理由は、フロントだけではない。リアの造形もまた、長きに渡って考え抜かれたアイデアが随所に採用されている。特筆すべきはマフラー。今や定番とも言えるフィニッシャーをこれまた封印し、VIPの王道である4本出しを採用。「200マジェスタはVIPっぽい雰囲気が強いモデル。それを生かして4本出しにしました」。

リップ部分を薄く設計したフロントとは一変、リアは純正よりも大きめにデザインしている。「リアのどっしり感を底上げするために、純正よりも大きめに設計しました。純正の場合、真横から見ると尻上がりですが、このモデルでは地面と水平になるように調整しています」。

いかにもエアロを装着している感じは出さず、ごく自然な装着感を味わえるのも、このモデルのポイントと言える。「例えば、テール下のラインなどはバンパーが薄く見えるように純正のアールを使ってデザインしています。ですので、サイズ的には大きいエアロなんですが、その存在感が出過ぎないよう設計しました」。

マフラーの間は従来モデルを踏襲。つまんだようなラインをインストールすることで、のっぺり感を払拭すると共に、立体感を演出することに成功している。ウイングも実に緻密なデザイン。200系のトランクは中央を頂点にし、サイドに行くにつれてなだらかな傾斜になっている。「なので、なるべく平らにして、サイドに行くにつれて緩やかに落ちるようにしました」。一切の妥協を許さずに作り込まれたデザインが、この200マジェスタに宿っている。

※この記事は2019年8月号のVIPスタイルの内容を再構成して掲載しています。