実際に行った人じゃないと分からない、「セマショー2024」で感じた最新トレンド!
【セマショー2024|視察報告】
セマショー会期中、写真を撮って撮って撮りまくる。ほぼ全台の車輌を撮影!
唯一無二の造形美を誇るエアロメーカーがROZEL(ロゼル)。固定概念に囚われない斬新なデザインを常に披露。その姿勢に共感し、多くの人がロゼルの虜に。そんなロゼルのチーフデザイナーが注目している催しがある。それがSEMA SHOW(セマショー)。今年も2024年11月6~9日に、アメリカのラスベガスで開催されたのだが、もちろん、現地視察を敢行。コロナ禍の影響もあり、昨年は見送ったが、ほぼ毎年、セマショーの会場に足を運ぶ。通算10回以上、つまり、10年以上、セマショーを見続けている。
「セマショーに行く目的は色々とありますが、一番は流れを知るためです。アメリカのクルマ業界の動向は、今なお、日本に大きな影響があります。アメリカで何かが流行ると、その数年後には日本でも流行る。その情報をいち早く得るというのが一番の目的です。最近はSNSが発達したため、ある程度の情報はスマホから獲ることもできます。でも、それは自分ではなく、誰かの目を通した情報に過ぎない。正直、ここ数年のセマショーは代わり映えがないんですが、だとしても、現地に飛び、現場の空気を感じるというのは、物作りをしている自分たちにとって、非常に重要なことだと思っています」。
セマショー会期中、写真を撮って撮って撮りまくる。ほぼ全台の車輌を撮影する。会場をフラッと見て回るような、いわする「観光気分」な出張とはほど遠い。驚くほど広い会場を隅々まで歩き回り、ヘトヘトになりながら写真撮影をする。「毎年、セマショーに行けるっていいな~」と思う方も多いかもしれないが、実際の現場は地獄に近い。そして、そんな彼らの目を通して、2024年、今年のセマショーで目立っていたのは、スープラ、テスラ トラック、ビンテージカーだったそう。
「スープラが多かったのは意外でした。会場で『なんで、こんなにスープラが多いんだろう?』ってなりましたね。日本のカスタムメーカーが流行らすために仕掛けている感じじゃなく、アメリカの現地のショップが好きでカスタムしている感じでした。ワイドボディにして、エンジンも触って。アメリカで今、イジり甲斐のある車輌として、スープラにスポットライトが当たっているような気がしましたね。
そして、テスラ トラックも凄く多かった。日本には導入されていないクルマなので、知らない方が多いと思うんですが、セマショーの会場には驚くほどたくさん展示されていました。ただ、ボディを触るっていうよりは、ボディカラーで遊ぶスタイルが多かったです。主流はラッピングでしたね。
ビンテージカーっていうとザックリし過ぎかもしれませんが、メーカーや車種を問わず、ビンテージカー=旧車をカスタムしている方も多かったです。エンジンを載せ替えたり、外装をピカピカにしたり。特に古いBMWでやっているケースが目について、仕上がりがちょっと日本のVIPっぽい雰囲気があって、個人的にもカッコイイなって思いました」。
【セマショー2024|視察報告】
今年のセマショー会場で気になった「5台」を大公開!
視察して得た情報は、もちろん、本来は非公開の極秘案件。わざわざ、インスピレーションをお裾分けする必要はない。とはいえ、やっぱり、知りたい。現地で生で見たロゼルのデザイナーたちが、一体、どんなクルマに心を惹かれたのか。ということで、絶対に教えられない車輌を除いた上で、特別に必見の「5台」を見せて頂いた。
レンジローバー ヴェラール
今年のセマショーで最もクレイジーな高級プレランナーが、2000馬力のランボルギーニV10ツインターボエンジンを搭載したレンジローバー ヴェラール。本来、プレランナーとは「試走車輌」という意味で、レース本番前にコースを視察するために使用する車輌のこと。しかし、この車輌はこの姿が完成形で、プレランナー仕様としてカスタムされていると思われる。足まわりもマフラーもフロアも、とにかく、中を全部見せる。とても斬新で凄かったです。
Creatures of the Night Charger
最先端のラッピングを披露し、アート性を醸し出していたダッジ チャージャー。夜の闇の精霊たちと大自然からインスピレーションを得た、他に類を見ないラッピング。3つの異なる視覚効果がポイントで、「フルリフレクティブプリント」と「ブラックライト反応」と「RGB 3Dライト反応」がカギとなる。クルマをキャンバスにした芸術作品的な雰囲気。今回のセマショーでアート性はナンバー1でした。
ゴールデンサハラⅡ
通称・ゴールデン サハラⅡと呼ばれるリンカーン カプリ。アメリカのクルマ好きなら誰もが知っている名車で、1960年のナショナル チャンピオンシップ カスタムカーショーでアワードを獲得し、その後、数々の映画やテレビに登場していたそう。現仕様のボディカラーは艶のあるホワイト。このホワイトカラーは貝殻を砕いて作られたとのこと。本当のパールっていうか、宝石の真珠のようで凄くキレイでした。とにかく贅沢で、ゴールドのトリム、キャビンにはビルトインのテレビ、冷蔵庫に、カクテルバーまで装備。そして、タイヤ。これは1950年代に光るタイヤを製造していたグッドイヤーがプロジェクトに協力し、復刻版タイヤを作り上げたそう。ちなみに、このタイヤで自走も可能らしい。
BMW M4 コンペティション
この車輌の情報は乏しいのだが、恐らく有名ホイールメーカーが出展したクルマ。そして、気になった理由は、僕らロゼルの220クラウン ブリスター仕様に似ているから(笑)。僕らがブリスターを作った時、凄く悩んだんです。ブリスターからヘッドライトに繋がる部分の処理や、リアのワイドの落と込み具合など、「やっぱり、そうするよね!」って感じで、このBMWの作り手と会話をしたら「分かる! 分かる!」ってなるだろうなって思いました。ちなみに、僕らのクラウンもオレンジで、このBMWもオレンジ。共通点が多くて驚きましたね。
ロゼル 220クラウン ブリスター仕様
http://aless-mag.com/2024/10/16/tokyo-auto-salon-2025/
BMW 3シリーズ E30
E30に、フェラーリ テスタロッサのホイールを履かせた驚きの仕様。アメリカらしく、エンジンにも手を入れており、6266シングルターボ付き仕様に変貌。カーボンパーツを使っているのも必見。僕らがいいなって思ったのは、全体のバランスがとれていること。こっちのクルマは何かに特化してしまうことが多い。だけど、このBMWは全体のバランスを重視していて、何となく日本のVIPのマインドと似ているなって思いました。ツライチもVIPっぽいし、ボディカラーも渋くてカッコ良いし。他にも同じE30で話題を集めていた車輌がありましたけど、僕はこっち。とても美しい作り込みで良かったです。
改めて、セマショー2024を振り返って、今年のセマショーはどんな印象だったのだろうか。「前提として、セマショーは凄いです。日本のレベルとは比べものにならないほど、凄いレベルです。ですが、僕らは何度もセマショーに足を運び、見慣れてしまっているというのもあって、率直に言うと『こんなもんか』っていうのが、今年のセマショーの印象です。セマショーの会場には、全世界からあらゆるクルマが集まってくる。だからこそ、期待値はどんどん高くなる。僕らを驚かせて欲しい。僕らが想像もしていないようなカスタムを見せて欲しかったですね」。
とはいえ、もちろん、収穫はゼロではない。足が棒になるほど歩き回り、撮影した写真の数々。日本に戻り、何度も何度も見返しているそうで、そこには何かに繋がるヒントが隠されている。ロゼルは日本だけでなく、世界シーンまでアンテナを張り巡らせている。世界のトレンドを肌で実感しているロゼル。その経験値は、必ず、大きな差となって現れる。
◉ROZEL(ロゼル)
https://www.rozel-japan.com
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