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東京オートサロン2025|最優秀賞を獲得したセンチュリーの真実
【アレスの真骨頂】
クルマ×アート、アレスが提案する新しいカスタムの世界へ、ようこそ。
朱色に染まった壁の前に、大きな花が飾られている。モチーフは鳳凰。出展車輌であるセンチュリーのアイコンだ。この作品を手掛けたのは堤晶(つつみ・あきら)サン。アレスと同郷の岐阜県のフラワーアーティスト。アレスの代表が彼女の作品に惚れ込み、わざわざ東京オートサロンの会場まで招き、現場で作ってもらったそうだ。
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この記事を書いている自分は素人なので、詳しくは分からないが、見るからに芸術的。生花ではなく、ドライフラワーを多用しているのも珍しい。ジャンル的には生け花の部類に入ると思われるが、明らかにその域を超えている。まるでアートだ。
もちろん、ショーの主役はその作品の前に鎮座している2台のセンチュリー。新車価格2000万円オーバーの正真正銘の日本唯一のショーファードリブン。イジるようなクルマではないのは分かっているが、アレスのセンスと技術力を見せつけるために必要不可欠なクルマだった。
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黒は王道。エアロはシンプルなデザインのロゼルの3点キットを装備。ちなみに、ロゼルとはアレスのオリジナルブランドで、このセンチュリー用の他、厳選したセダンのエアロパーツを開発している。
キットには、フロント、サイド、リアの他に、実はウイングもあるのだが、あえて装着は見送っている。理由はマフラー。マフラーレス仕様のため、バランスを考慮し、ウイングは未装着。装着してアピールしたい気持ちは山々だが、何よりもバランスを優先して排除する。この潔さからもアレスのセンスの高さが分かるだろう。
今年の東京オートサロンで、並み居るライバルを押し退け、最高の栄誉である「セダン部門 最優秀賞」を獲得したのが、もう一台の白いセンチュリー。来場者の投票による人気コンテストでナンバー1に輝いた。
既存のセンチュリーのドレスアップ手法を全て覆した仕様。センチュリーというのは特殊なクルマで、ある程度、こうするべきだという不文律、暗黙の了解というのが存在する。ボディカラーは黒、方向性は高級感重視、そして、車高はほどほど、などだ。それを全部変えた。
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オリジナルのホワイトガラスフレークでオールペン。センチュリーの特徴であるメッキは全潰し。足まわりはアレスのオリジナルエアサスで、さらにショートナックルを入れ、ベタベタに落とし切る。賛否両論は覚悟の上だったそうだ。そもそも、このデモカーを作る際、アレスの社内でも賛否が分かれたと言う。その上でやってのけた。新しい何かを発見し、手に入れるために。
エアロは黒のセンチュリーと同様、ロゼル製を採用。各エアロ上の純正メッキ部分を黒で潰しているために、下回りには恐ろしいほどの重厚感が出ている。ホイールは5本スポークのワーク エクイップ。ディスクは黒、リムはブロンズ、ピアスはゴールド。その奥のブレーキにも手を加えている。
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リアに回ると4本出しのマフラーが出現。元々、センチュリーはハイブリッドのため、マフラーレス仕様なのだが、このセンスブランド製のカーボンマフラーのお陰でスポーティな雰囲気を醸し出している。そのスポーティ感を後押しするために、この白いセンチュリーにはウイングも装着し、バランスを整えている。
グリルもヘッドライトも真っ黒。透明な窓が許せず、3枚のフロントウインドウには脱着式のプライベートサンシェードも装着。こだわりが凄い。このサンシェードは試作品だが、サロン会場での反響が大きく、製品化決定。正式に完成次第、受注生産していくそうだ。
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白のスポーティ仕様のセンチュリー。海外ではウケると確信していた。アレスは海外とのパイプも太く、この禁断の仕様は海外向けとしては自信があった。しかし、国内での評価は未知数。吉と出るか、凶と出るか、蓋を開けてみるまで分からなかった。だが、その結果がセダン部門 最優秀賞。これまでにない斬新なドレスアップが多くの日本人の心を掴んだ。
一昨年の東京オートサロン2023では「130マークX」でセダン部門 最優秀賞を受賞。その2年後の今年、東京オートサロン2025では「60センチュリー」でセダン部門 最優秀賞を獲得。各メーカーが喉から手が出るほど欲しい賞を連発。名実共に、アレスはセダン業界を牽引する存在になったと言っても過言ではない。
◉アレス
岐阜県山県市梅原586
tel.0581-22-2114
https://www.aless-group.com
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